変化
-実際にアメリカに行ってどうでしたか?
いや、辛かったね。最初の上司はフランス人で、結構フランス語のなまりがひどくて。何言ってるかもわかんないし。あと、日本から期待されて行くように言われてた、"アメリカで始まる新しいプロジェクト"っていうのが無くなっちゃったのね。で、また違う仕事を違う部署でやり始めて。心細いし、こんなはずじゃなかったし。一体どうなっちゃうのかなと思って。生活もきちんと成り立ってなかったから。
-大変ですね。
でも、しばらくして妊娠が分かって。子供が生まれるっていうので、病院に行ったり、買い物に行ったり、なんか生活にも慣れてきて、だんだんこう、順調になってきたね。アメリカで面白いのは、まず評判のいい産婦人科医を選ぶのよ。で、産婦人科医が使ってる病院に行くって感じ。妻が選んだ先生は、私よりはるかに大きい、ラグビー選手みたいな、すごいたくましい感じの女性だったね。
-子供が生まれてからどうでしたか?
楽しいことばかりだよね。 一緒に遊んだり、散歩したり、抱っこしたり。結構定期的に近くの州立公園にキャンプに子供と一緒に行ったりとか。子供がおっきくなってきたら、イエローストーンとかね。
-仕事はどうでしたか?
より独立して1人で働けるようになった気がするね。結構新鮮だったのが、ミーティング。日本の会社の印象だと、上司が言うとそれにはいはい、って頷いて。「それやらなきゃいけないんだ」っていうような会議だったような気がする。アメリカだと、ミーティングで初めて聞いて反論したりがあったから...例えば「今年のオブジェクティブ(目標)はこうしますよ」って言われても、何人かは「そんなスケジュールは絶対に無理、出来ない。そんな無茶な目標を設定して、我々の給料減らす気なんですか」って。
-結構ズバッと言うんですか?
でもそれもためになったね。出来ないことは出来ないって早めに言ってあげないと向こうも困る。「頑張ってみます」って言って出来なかったら困るのは、結局上司や会社だから。